ゲームは様々な作品があります。
名作と呼ばれる物やクソゲーと呼ばれる物まで。
今回は何故そういった物が作られてしまうのか、作り手側から書いてみようと思う。
予算見積りが足りなかった。
これまでの経験から一番高い確率でクソゲーができてしまうのは「見積り」よりも多くの予算が必要になり、お金が用意できなかった。
というのがクソゲーとなる一番の要素になると思う。
では何故「見積り」より多くの予算が必要になるのか。
実際に工数見積もりが足りず、想定よりかかってしまったというのが一番多い。
ゲーム開発は建設現場の土方みたいなもの。
実際に開発現場にいかないと現状を見ることはできない。
そして見た目と内部は全然違うというのもある。
これが厄介、人手を簡単に増やせない。
知識がある人ならある程度想定できるのでそれとなく対応できるが、それでも新しく入った人は仕様を理解するところから入らないと何もできない。
そしてこれには大きな問題もある。
仕様というのは作りながらできてくるのだけど、作った後で触ってみて調整が入る。
この調整は工数以上になることが多々ある。
その結果が「見積り」に合わなくなってしまう。
作ってみたが想定通りではなかった。
見積りの亜種になるといえば亜種になるのですが……
作ってみたけど面白くなかったや不具合だらけというのもある。
この場合もお金があればなんとかなるパターンが多い。
有名なものだと「マザー2」が途中まで作って全部破棄して、完全に作り直して完成させたという話がある。
これは作り直しや調整の結果どうしようもない物がたくさんできてしまったことだ。
プログラムというのは手順が複雑になればなるほど変な事故が起きやすい。
さらにゲーム開発は1人で作るには難しいので複数の人で作ることになる。
これは事故になる確率が大幅に上がる。
プログラムを合わせるのを「マージ」というのですがこれがまた厄介。
同じ場所に対して複数の人が違う対応をした場合「コンフリクト(衝突)」してどちらを優先するかを選択していかないといけない。
そしてこの「コンフリクト」を間違えてしまうと確実に事故になってしまう。
こういうことを毎日繰り返してゲームができている。
これでミスをしないというのは不可能に近い。
こうしてバグをたくさん含んだ状態になるのだが、これをデバッグで修正していくのも工数として用意する。
ただ最近のゲームには大きな問題がある。
発売またはリリース後にアップデートの修正対応という形で修正できてしまうのだ。
これはクソゲーを生み出す一番の要因である。
なぜなら修正する時間もないし、予算もないからだ。
すぐ修正すればいいじゃないか、と思う人がいるだろう。
これがそう簡単ではないのは数か月単位の修正が必要になることがあるからだ。
数か月という事は数百万~数千万の予算になる。
そう考えると甘くないことが想定できるだろう。
その結果がクソゲーになる。
ただ、クソゲーを許していいわけではない。
極力クソゲーで作らない方がいい。
なのでゲームの作り方そのものをちゃんと考えていかないといけない。
これはゲーム業界にとって根性論で作り続けてきた事も一つ。
必要な予算が増え続けた結果、根性論での修正ができなくなってきた。
そして発売後やリリース後に修正できるという事もあり、詰めも甘くなってしまっている。
どうしてもゲーム開発にはお金がかかるのでこの問題は常に付きまとうと思う。
勿論他の要因もたくさんあるけど、クソゲーの生まれる要因は一番は「見積り」の甘さだろう。